【稽古事】歴女が進化して、居合や殺陣習う人が増加…刀剣が人気に [02/15]
女性たちが刀剣に魅入られているのである。居合や殺陣を学ぶ女性も増えてきた。 戦国時代や幕末の歴史が好きな「歴女」たちが史跡めぐりなどに飽き足らず、 さらに一歩踏み込んで自ら刀を振りたくなったようだ。 「敵の肩に刀が入ったら、斜めに切り下ろします」。師範の指導で、はかま姿の剣士たちが 一斉に刀を振り下ろす。 首都圏で居合道を教える「居想会」(本部東京)が2010年1月中旬、都内の体育館で 開いたけいこには男性に交じって5人の女性の姿があった。 目の前の仮想敵を見据える彼女たちのまなざしは鋭い。 約170人の会員の4分の1が女性。関戸光賀代表は「凜とした武士にあこがれて入会する 20代、30代の歴女が増えています」と話す。 3年余り前に入会した東京の会社員、深谷真紀さん(36)も歴女。「人斬り以蔵」と恐れられた 幕末の暗殺者、岡田以蔵が好きだ「当時の剣術は命を懸けた戦い。私もポーズだけの 居合ではなく、リアルな動きを追求したい」 けいこで使うのは重さが1キロ近い合金製の模擬刀。女性は腕力では男性にかなわないが 「体の使い方が分かると、男性よりスピーディーに動く人もいます」と関戸さん。 全日本剣道連盟によると、09年の全国の同連盟居合道初段取得者1270人のうち女性は 約3割を占める。同連盟居合道委員長の岸本千尋さん(76)は「大学の居合道クラブにも どんどん女性が入っているのである。昔からは想像もできませんね」と話す。 プロの殺陣を一般に教える名古屋市の殺陣教室「ジャパンエンターテイメント」。 夜のけいこ場に「死ねー」と、物騒な女性の声が響き渡った。 木に銀紙を張った偽の刃物で男性に切りかかったスポーツウエア姿の女性は忍者役。 通り掛かった若殿の一行を、仲間の悪者とともに襲うというシナリオだ。 女性たちは、死闘の果てに切られては顔をゆがめ、うめき声とともに床に倒れる。 悪役に扮した中尾雅美さん(43)は、三重県鈴鹿市の自宅から約1時間半かけて 週1回のけいこに欠かさず通う。時代劇ファンで「いつか立ち回りをしたかった。 最初は切る方がカッコよく見えたけど、切られる快感に目覚めました」と笑う。 女性の生徒は21人中15人と7割。代表の後藤利文さんが教える名古屋市内の別の教室は 9割が女性だ 美術品としての刀剣の人気も、女性の間で上昇中だ。岡山県瀬戸内市にある備前長船 (びぜんおさふね)刀剣博物館の片山工館長は「以前は圧倒的に男性入場者が多かったが、 ここ2年ほどで女性が増え、今は4割もいます」と言う。 女性たちはなぜ刀剣に魅了されるのか。岸本さんはこうみる。 「今の女性は昔の女性のようにか弱くない。いざとなれば自分も敵と戦うという気概が、 居合や殺陣に向かわせるのではないか」